5月2日(雨)●観音寺は今日も雨だった。69番 観音寺/68番 神恵院(6:33/1.8km/累計246.3km)
♪今日は朝から雨、嫌な天気やけど、もうボチボチ出かける時間♪(by 有山淳司)なんて余裕はなく、上下のレインウェアにヘルメットの下の防水キャップ、シューズカバーと完全装備。食事をして準備をしていると、けっこう時間がかかってしまう。特に食事は相変わらず時間がかかる。で、出発したのは6時20分。
前回も観音寺は雨。その時は午後からは晴れたが、今回は1日降りそうだ。とっとと参拝を済ませる。しかし神恵院の本堂は馴染めない。納経所にはご夫婦らしい歩きへんろが。 7時10分、出発。 ●雨はやはり疲れる。67番 大興寺(8:06/12.6km/累計233.4km)
市街地を抜けて、観音寺市郊外へ向かう。途中の自販機でコーヒーを飲む。これが美味しい。そこから道に迷ってうろうろ。途中、2人に聞いて何とか国道377号へ。そこから徐々に登って大興寺の裏に出る。前回泊まろうとして満室だった、民宿大平があった。そこの横の坂を下って大興寺の山門へ。前回同様、山門の脇の軒下に自転車を置く。
緑が多くて美しい札所だが、晴れた日にきたらもっと気持ちがいいだろうと思う。いつか晴れた日に参拝したいものだ。8時26分、出発。 ●iPhoneが宙を舞ったのがケチのつき始め。66番 雲辺寺(10:27/27.7km/累計272.2km)
大興寺の納経所でロープウェイの駅までの道を聞くと、萩原寺経由の道を奨められた。わかりやすそうだが、ちょっと遠回りかも。少しでも距離を短く、ということでiPhoneのMapを頼りに走る。山際に沿って麓駅へ向かう道で、旧道でもあるのかアップダウンも少なく走りやすい。しかし集落から出て三叉路の交差点に差し掛かると、道がわからなくなる。
通りかかった軽トラのお兄ちゃんに道を尋ねる。「この辺の者じゃないけど、こっちの道を行けばいいんじゃないかな」。その通り走ったら、道がなくなった。引き返して、改めてiPhoneに頼って走る。しかしまた道が急な斜面を上っていく。画面をよく見ると「徒歩モード」になっていた。前の道は草むらの中に消えている。まずい、と思って自転車の向きをひっくり返して、焦って荒れた急斜面を下る。と、その振動で、iPhoneがホルダーから外れて宙を舞う。あっと思って後ろを振り返ったら、iPhoneが道路に転がっていた。 あわてて拾って、いろいろ操作してみる。とりあえず動作はするようだ。ちょうど携帯バッテリーから充電していたところなので、充電は?とコネクターを接続するが、普段だったらビープ音がでるはずなのに、無音。電話をかけてみるとつながるので、壊れたのは充電部か。それならまだ使えるうちにと、仕事関係の連絡をいくつか入れる。 道も残った一つの道を走ったら、どうやら正しそう。一路麓駅を目指す。坂もそれほど急ではなく、休みながらもなんとか登る。迷わなければ、いい道だ。ただこの三叉路で20分はロスをしている。 しかし携帯が充電できないとなると、宿の予約も大変になる。ちょっとやばいなー。かなり落ち込む。やはりナビと携帯は分けておいた方がよかったと反省。次回はナビを買おう。とりあえず今日は、行けるところまで行くことにする。 苦労しながら、でも前回より多少ラクに麓駅に到着。ちょうどロープウェイが出るところだった。切符を買ってすぐに乗り込もうとする。すると駅の係員が「雲辺寺から大興寺へ降りるんでうか?」と聞く。「いや椿堂の方へ」というと「それなら大丈夫です。大興寺へのへんろ道は通行止めですから」とのこと。どっちにしてもへんろ道は通らないので、関係ないのだが。
ロープウェイに乗り込むと、乗客は数人。登って行くにつれ、あたりは霧(雲)につつまれて真っ白。ガイドのお姉さんの案内も白々しく響く。その中で、電池がなくならないうちにと、掲示板に最後の書き込み。「携帯が壊れて充電できなくなりました。しばらく書き込みできなくなります。いま、雲辺寺ローブウェイなう」。 山頂駅に着くと、温度計は14度を示していて、吐く息も白い。寒いというほどではないが、ぞくっとする。全体に霧に包まれ、前回感心した五百羅漢もほとんど見えない。
雨と霧で参拝する人もわずか数人。風も強くて、灯明の火ももすぐ吹き消される。上がったり下がったりの変なレイアウトをたどって、何とか納経所にたどりつく。納経の後、三角寺までの道を聞くと、わかりやすい手書きの地図をくれた。ついでにライターを買う。11時5分出発。 ●決定的なドジを踏む。ラーメン「どさんこ大将」(12:20/38.9km/283.4km)地図に従ってゆっくり下る。周囲は乳白色の霧に包まれ、真っ白だ。長野県の高原を走っているような気分だ。走ったことはないけど。途中、休憩でさかしんさんにもらったえいようかんを食べる。「美味し」。ついでに写真をパチリ。
延々下って、国道に出る。やがて徳島県との境をすぎる。この辺りからすでに幻惑され、勘違いが始まりかけている。ここを左に曲がればいいんだ。
曲がってしばらく行くとラーメン屋さんがあった。「どさんこ大将」。今時めずらしいサッポロラーメンの店みたいだ。食べ物屋があったら即食べるべし、という四国の鉄則に従って入る。小さなラーメン屋さんだが、けっこう繁盛している。こういう光景をみるとほっとする。これからも頑張ってください。 食べやすそうな麻婆豆腐定食を注文。ついでに「携帯に充電してもいいですか?」と聞いてみる。ママさんは「いいですよ、そこのコンセント使って」と愛想よく許してくれた。コンセントは口が2つあったので、携帯充電器へ充電しながら、iPhoneにも充電してみる。と、ビーブ音はしないけど、充電画面が表示された。先程は焦っていてわからなかったが、どうやら音が出ないだけらしい。基盤のトラブルかな? こうしていPhoneと格闘しているとき、さかしんさんから「車で充電器持って行きましょうか」というレスキューのメールが入った。ありがたいことだし、ほんとに心強い。無事だったこととお礼とを一緒にメールする。 ほっとしながら麻婆定食を食べる。相変わらず歯のお陰で時間がかかる。食べている時、白人夫婦の 歩きへんろが入ってきた。白人の年は分からないが、僕とそれほど変わらないかも。その間、さかしんさんから、レスキューの充電も無事終わったので、13時12分出発。 ●ようやく正気に(手遅れだけど)東みよし町!!!(15:10/65.0km/累計309.5km)
気持ちよくスタート。僕より後から来て、先に出ていった白人へんろを追い抜く。下り坂なので機嫌よく走れる。で、ここからは恥ずかしいのであまり書きたくないが・・・・。 ふと標識を見ると徳島県池田町。雲辺寺は徳島と香川の境目だから、ちょっとはみ出して走ってるかなと思ったが、気にせずそのまま前へ進む。先程、徳島県との県境を過ぎたのが頭にあったので、これでいいと思い込んでしまった。さらに携帯が無事だったので、かなりハイになっていたのだと思う。雲辺寺でもらった地図に書いてあった、国道192号をまっすぐ、ということばかり頭にあったので、まさか180°反対方向に走っているとは思わなかった・・・・。 2時間も走った頃、「あれ、なんでまだ徳島なんだ?」と初めて正気に戻る。東みよし町の役場近くだ。iPhoneの地図を改めて眺めて、自分が三角寺と正反対の方向に走っていることにようやく気がついた。距離にして26km、約2時間も反対方向に走っていたことになる。 気がついたのは15時過ぎだ。本来なら三角寺の近くまで来ているはず。しかし現状では、このまま戻っても雲辺寺付近で17時頃になってしまう。そこから三角寺の登り口である四国中央市まで走るとなると、完全に夜間走行を覚悟しないといけない。 徳島で一泊という手もあるが、スケジュールがめちゃくちゃになってしまう。まずは正しいルートに復帰しないと。Uターンして、走ってきた道を戻る。これまでは下り基調だったが、引き返すとなると上りになる。しんどそう。でもそんなことは言ってられないので、ひたすらペダルを踏む。アドレナリンが噴出しているのか、多少の上りは気にならない。 ●薄暗くなってきた。境目トンネル(18:10/94.5km/累計339.0km)
昼、iPhoneを受電した「どさんこ大将」の前に戻ったのは17時30分。やはり上りのせいか、往路より時間がかかっている。途中、さかしんさんからの差し入れの「えいようかん」の残りを一気食いしてエネルギー補給。食べると体がラクになる。だいぶエネルギーが足りなかったみたいだ。 それからしばらく走ると、パン屋さんがあった。昔、学校の横にあったような、パンとお菓子を売っているお店だ。まだお腹が減っていたので、そこでパンを買う。「横に椅子があるから、そこで食べたら」とパン屋のおばさん(僕とタメくらい)が親切に言ってくれた。店の横にベンチがあって、パンが食べられるようになっている。隣は福助の工場なので、ここの人が食べにくるのだろうか。あるいはおへんろさん用かな?食べている最中、工場の終業の合図のチャイムが鳴った。17時だ。 食べて休んでHPが回復したのでスタート。どんどん暗くなっていく。かなり薄暗くなったところで、境目トンネル手前の結婚式場の前にたどりつく。峠の頂上だ。そこでアクエリアスを買って一休み。 ●なんとか四国中央市にたどりつく。ビジネスグリーンホテル(19:20/111.8km/累計356.3km)
境目トンネルを越えると、あとはひたすら下りだ。日が暮れても薄明というか、薄ぼんやりと明るい。おかげで不安なく走れた。一日降り続いた雨は、この頃にはだいぶ小降りになっていた。といってもカッパを脱げるような状況ではない。ひたすら下っていくと、やがて市街地に入る。四国中央市だ。といっても、まずJRの駅周辺にあると思われるホテル近くまで行かないと。 市街地に入って、ガソリンスタンドやコンビニで聞いて、なんとかホテル街にたどりつく。3軒ほど見て、自転車が一番とめやすそうなグリーンホテルに決める。外から見ると、客室の灯りはほとんど見えない。なので電話を省略して、直接フロントへ。案の定、部屋は空いていた。 チェックインして、向かいの食品スーパーへ。ホテルのフロントで聞いたら、弁当類はそこで揃うということだったので。ところが話とは違って、何も残っていない。確かに時間が時間だから仕方ない。商店街をうろうろしたあげく、養老乃瀧に入る。隣では、どこかの会社の総務部らしい人たちが、社内報の話しなどをしいる。こちらはビールを飲みながら、掲示板に簡単な報告の書き込み。これが結構時間がかかる。 ホテルに戻り、ちょっと混んでいたが洗濯も無事終え、11時には就寝した。ただひたすら無駄に疲れた1日だった。 累積標高1093m。(ロープウェイが含まれているので意味はないかも) ■ロープウェイの途中あたりまでのMap。■雲辺寺からラーメン屋まで■ラーメン屋から東みよし市〜四国中央市
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