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５月４日(１番・復路)
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●５月４日■最後の最後まで忘れ物一番霊場「霊山寺」（06：24/当日4.3km/累計500.2km） やはり５時３０分起き。いよいよ最終日である。６時過ぎにチェックアウト。実はこのホテル、チェックアウトは７時からなのだが、訳を話したら気持ちよく６時にドアを開けてくれた。 このホテルから霊山寺までは、意外に距離があった。といっても４ｋｍほどだが。途中、コンビニに寄って飲み物を買い、霊山寺に到着。 まだ７時前だというのに、けっこうな人がいる。それになぜか華やかだ。これは霊山寺だけに感じる、特別なオーラだ。帰りのバスは９時４５分で余裕はあるが、なるべく早めに駅に着いていたい。というわけで、早めに参拝する。
ここで失敗に気がついた。輪袈裟と数珠を、ハンガーにつるしたままホテルに忘れてきた。困ったものだ。忘れ物が多すぎる。とりあえず輪袈裟も数珠もなしでお参りする。そういえば最初の時も、まだ輪袈裟は身に着けていなかったっけ。 早く参拝を終えても、納経所がやっていない。正確には納経所は売店の中にあるので開いているのだが、係の人間が居ない。もうすぐ来るからといわたが、売店に居ても仕方がないので外へ出る。よく考えたら、霊山寺の納経所は初めてだ。最初は山門入り口近くの売店で納経帳を買ったため、最初から朱印が押されていた。だから納経所へ行く必要がなかったのだ。
時間つぶしに寺内を歩いていたら、またＭさんに出会った。よくよく縁があるのだろう。Ｍさんはまだ休みがあるので、もう一度回り始めるという。最後に納め札を交換した。ここでお互いの名前がわかったという次第。よく見たら、Ｍさんの白衣には、胸に名前の刺繍がしてあった。ネーム入り白衣は初めて見るので、感心してしまった。Ｍさんとは、当然これで最後だ。一度ぐらい、一杯やりたかったのだが、それが心残りだ。今回のお遍路で一番印象に残ったのはＭさんの笑顔だった。
まだ早いかなと思って納経所へ顔をだすと、もう納経は始まっていた。納経帳の「お礼参り」のページを開いて差し出すと、念珠を一つくれた。３年間限定でのプレゼントらしい。今年で最後とか。運がよかったかもしれない。いい記念にはなる。結願記念に、ノートに住所氏名を記帳するように言われたが、これは書き忘れてしまった。忘れ物ばかりの今回の区切り打ちで、これが最後の忘れ物になった。
納経が終わって時計を見ると、まだ７時前だった。いろんな意味で、この札所はマイペースだ。こうなったらホテルに取って返して、輪袈裟と数珠を回収しなくては。すぐに走り出す。 ７時３分、出発。 ■無事バスに搭乗。徳島駅（08：02/当日19.69km/累計515.5km） 幸い、ホテルに寄ってもそれほど遠回りにはならなかった。 フロントのおかみさんに話すと、すぐにカギを貸してくれた。輪袈裟と数珠は無事回収完了。お礼を言って、出発する。 徳島までの道のりは、おかみさんが地図で教えてくれたので大丈夫。１時間ほどで懐かしい徳島駅に到着した。自転車でしばしうろうろする。以前泊まったステーションホテルは１泊３９９０円に値下がりしていた。どこかでホテル代が下がっていると聞いたが、本当のようだ。 チケットを買って、バスの発車までしばらく時間があったので、朝食を食べることにする。２階にある喫茶店を見つけて入る。４００円のモーニングを頼む。コーヒーにトースト、サラダに卵。久しぶりに温かい朝食を食べた。 ９時１５分には喫茶店を出て、自転車のバッグ詰めをする。ちょうど以前食事をしたゑび一の前だ。１５分ほどで詰め終わり、バス乗り場へ。ぼーっとバスの来るのを待つ。バスはちょっと遅れて来た。トランクスペースに自転車を入れる。バスは２台で、僕の乗るほうは空いているようだ。トランクもそれほど窮屈ではない。 バスが発車すると、すぐに寝てしまった。起きたら京都の街だった。 ■帰宅。自宅（15：20/当日12.6km/累計528.1km） 京都駅についたのは２時前。自転車を担いで駅の中の旅行代理店に直行する。そこで、車両再後部、通路側の席を予約してもらう。幸い、新幹線は空いていたようだ。前日、名古屋のＫさんからも教えてもらっていたとおりだった。 弁当を買って新幹線に乗り込む。後部のスペースは開いていたので、一安心。ゆっくり弁当を食べ、一息ついたら名古屋だ。 駅を出て、新幹線口で自転車を取り出す。１５分ほどで用意ができ、押して名古屋駅を横断し、駅前から走り出す。休日とはいえ、名古屋の中心部は走りにくい。結局、自宅に着くまでに１時間近くかかってしまった。 しかしこれでおしまい。少なくとも自転車遍路は。さて次は、いつ、どうなるか、想像もつかない。まずは、しばらくはおとなしくしていよう。
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